産業医Q&A
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産業医とは?
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Q. 産業医とは?
A. 産業医とは、事業場において労働者の健康管理等について、専門的な立場から指導・助言を行う医師を言います。労働安全衛生法により、一定の規模の事業場には産業医の選任が義務付けられています。
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ストレスチェック制度とは?
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Q. ストレスチェック制度とは?
A. 平成26年6月25日に公布された労働安全衛生法の一部を改正する法律により、ストレスチェックと面接指導の実施等を義務づける制度が創設されました。
今回新たに導入されるストレスチェック制度は、定期的に労働者のストレスの状況について検査を行い、本人にその結果を通知して自らのストレスの状況について気付きを促し、個人のメンタルヘルス不調のリスクを低減 させるとともに、検査結果を集団ごとに集計・分析し、職場におけるストレス要因を評価し、職場環境の改善につなげることで、ストレスの要因そのものも低減させるものであり、さらにその中で、メンタルヘルス不調のリスクの高い者を早期に発見し、 医師による面接指導につなげることで、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止する取組です。
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産業医の具体的な業務内容は?
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Q. 産業医の具体的な業務内容は?
A. 産業医は通常の医師とは職務内容が違います。まずは、企業で働く人たちの健康診断、またその結果に基づく措置があります。健康診断を行い、その結果、何か異常がある、変調があるという場合には、足検査を行うなどして診断をします。また、働く人たちから健康上の相談を受けたり、その方の体にとって良い方向になるように指導なども行います。その結果を管理しておくことは重要な産業医の仕事です。
産業医はその企業で行われている業務の管理などにも関わります。有害業務を行っているという事業場の場合、その作業が適正に行われているか、また利用している産業機器が人体にとって適正なものなのか、さらには労働時間が健康を害するような時間となっていないかなどを確認します。もし、問題がある場合には、医学的に助言や指導なども行います。
働く人たちの健康管理をどう行っていくかということも大切な仕事です。業務時間にとどまらず、そのほかのプライベートな時間での健康管理に関しての助言、指導も必要となります。有害業務を扱っているという企業であれば、有害性の調査を行い結果に基づく措置も行います。働く方々に健康管理についての企画をし、計画、立案を行い実際に健康管理に役立てていきます。
働く人たちに健康について、ある程度の知識を持ってもらうための講習なども行います。救急措置やけがをしたときの措置、また高い熱を出した場合の措置など過程でも活かせる措置を学んでもあるための講習などです。こうした病気やけがなどについてある程度の知識を持ってもらうことは、家庭においてもご家族の健康を守る手段ともなります。
衛生教育も欠かせません。たとえば、インフルエンザが流行する前に、手洗いうがいの実行など、企業内、家庭でも実行してもらいたい衛生教育です。また、体に変調がある方がどのくらいいるか、その調査と、再発防止に対する措置なども検討します。
過重労働によるけ交渉がい防止対策として、脳や心血管障害リスクを把握するということもこれから先、産業医の大きな役割になっていくでしょう。そのほかに、企業で働く人たちのメンタルヘルス面のチェック強化、ストレスから来る体への影響に対する措置なども、産業医として考慮しなければならない点です。もちろん、保健師や衛生管理者との連携、ヘルスケアトレーナーとの連携など、医師だけではなくそのほかの資格者たちとの連携によって事業場で働く人たちの健康管理を行っていくということも、大切な産業医の役割となります。
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産業医の現状は?
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Q. 産業医の現状は?
A. 開業医や勤務医の中にも、産業医になりたいという医師が多くなっています。産業医の有資格者数を見ると、実に約7万人を超える数字となっていますから、その人気の高さがよくわかりますね。医師免許取得者数は2006年で約26万人。となると、1/4の確率で産業医の資格を取得している医師がいるという計算になります。
大企業の専属の産業医として働く医師は少なく、転職の競争率も高いです。一般的に、産業医としての働き方は?というと、嘱託という形での働き方がほとんどです。通常、勤務医、開業医という形で働き、日々病気で調子が悪くなっている患者さんと向き合い治療を施しています。産業医と比べると、業務内容が全く違います。病気になっている人を診察し治療するという開業医や勤務医。病気にならないように予防管理をし、未病で病気を発見していく産業医。全く違う業務なのに、医師が産業医へ魅力を感じているのはなぜなんでしょう。
現在の産業医の現状を見ていると、企業側はかなり比重を重く考えていることがわかります。一般的な勤務医などの給料とさほど大きく違うことのない産業医。治療にかかる時間や残業、そのほかのことを考えても開業医や勤務医のほうがかなり激務となるはずなのに、給料がかなり違うということはなく、こうしてみると、産業医のほうが現状もずっと恵まれた環境にあるということがわかります。
その中で、週1回、研修日を設けて技術習得やその他の医療機関へ仕事に行くわけですが、この週1回の機会に、嘱託として企業へ出向くという産業医の方が非常に多くなっているのです。
以前は嘱託で十分と考えていた企業も、メンタルヘルスの関係や健康管理といった面で、専属の産業医をやとう方向で動いているという企業も少なくありません。専属の産業医を持たなくてもいいという企業にとっても、現在、専属の産業医を配属させたいと願うところは多くなっています。人間関係が複雑になり、企業内でも精神的原因によって病気になってしまうという人は少なくありません。また、企業内での人間関係などの悪化によって精神的疾患となり、家族から訴えられるということも少なくありません。
産業医などを元から配置し、企業の中でのメンタルケアをしっかり行うことで、従業員の健康管理などもトータルでできるようになると考える企業が多くなっているのです。嘱託から専属へ、産業医が常に待機し、業務時間の改善や企業環境改善を専門的に行ってくれたら・・・ そう考える事業主が多くなっている以上、現状以上にこれから先、産業医への希望が多くなっていくのでしょう。
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産業医の規定にはどういったものがあるの?
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Q. 産業医の規定にはどういったものがあるの?
A. 産業医は、企業で働く人たちが快適な作業環境のもと仕事ができるように医師という専門的立場にある人が指導や助言を行います。勿論、働いている人たちの健康状態を健康診断等をとおし把握するということ、また体や心の相談にのっていくということも業務の一つです。労働衛生に関する専門的知識を持ち、働く人たちの労働における健康障害についての予防も行います。
産業医は譲二50人以上の労働者を使用するに至って14日以内に選任しなければならないという規定があります。また選任した産業医は、所轄労働基準監督署長へ届けてを行う義務もあります。産業医を選任する規定は、従業員の人数、また企業の事業内容によって違いがあります。
産業医の規定された法廷業務としては以下のものがあります。まずは職務です。■健康診断および面接指導等の実施並びにこれらの結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること。■作業環境維持管理に関すること。■作業管理に関すること ■以上に掲げるもののほか労働者の健康管理に関すること。■健康教育・健康相談そのほか労働者の健康保持推進を図るための措置に関すること。■衛生教育に関すること。■労働者の健康紹介の原因調査及び再発防止のための措置に関すること。となっています。
産業医は、こうした職務を遂行するとともに、勧告も行います。職務によって健康診断等を行い、また、相談等を受けた場合などで、労働者の健康を確保する必要があると認知した場合、その事業者に対して労働者の健康管理等に関して必要な勧告を行うことができます。勧告を受けた事業者は、産業医の勧告を尊重しなければなりません。
このほか、統括安全衛生管理者に対しての勧告や指導、また助言を行います。この助言等を理由に、事業者が産業医を解任するなどのことはできません。
嘱託産業医は、少なくとも毎月1回、作業場を巡視すること、また巡視の際に衛生状態に有害の恐れがあるなどの場合には、労働者の健康を守るため、必要な措置を講じる必要がありますし、事業者は産業医が必要な措置を講じた場合それをなしえる権限を与える必要があります。この月1回の巡回は、嘱託産業医の必須業務です。また、過重労働者に関しての面談指導も必ず行わなくてはならない産業医に規定されたものです。こうした規定の中で、企業の中で働く人たちの健康管理を行い、その職務をしっかり遂行しなければなりません。
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